
葉山に暮らしはじめて、ちょうど3年が経った。つくづく思うのは、このあたりには海に生活の重きを置いている人がなんて多いのだ!ということである。
いちばんのマジョリティはサーフィン。「お金持ちの特別のスポーツ」というイメージのあるヨットだって、自艇を持っている人が決して珍しくない。スポーツでなくとも、毎週のように海岸でバーベキューをしたり、犬といっしょに毎朝散歩したり、海岸に打ち上げられたワカメを味噌汁に入れたり……。
海が好きな人が海のそばに住んでいるのは当たり前じゃないか、といわれれば、そうなのかもしれない。ここらへんでは、海を楽しむ術=人生を楽しむ術なのである。
われわれ夫婦も、せっかく海の近くに住んでいるのだから、何か一つ海と近しくなれるものがほしいねぇ、と思っていた。そう漠然と思っていた矢先に……そう、シーカヤックに出合ったのだ!
三十半ば過ぎてサーフィンに初挑戦するには、まず身体づくりから始めなくてはならない(気がする)が、カヤックならば年齢も生別も体力もあまり関係なさそう。タイミングがいいことに、近所にカヤックショップがオープンし、会員を募集しているという話。会員になれば艇は借りられるので、少ない資金でトライできる。さらに友人がすでにそのショップの会員になって誘ってくれたことも、とっつきやすかった一因だったかも。
そして「これだ!」の思いを強くしたのは、昨年11月、カヤックショップの無料試乗会。波は少しあったのだが、案外すんなり沖に出ることができた。感動的なのは、海の中に浮かんでいるときの静けさ。自分の力・自分のペースで、のんびり漕いでいくのは、思いのほかここちよい。海から見る陸も、見慣れた風景を角度を変えただけのはずなのに、とても新鮮だ。
そしてこの4月、再度試乗会に参加した。う〜ん、やっぱりよい。乗った後、仲間とワイワイするのも楽しいし。天気のよい日曜日で、しかも皇太子ご一家が来ていたせいもあり、何人もの知人に会ったのだが、スエット素材のパンツをはいた私を見て、「カヤックやってるんだ!」と見直したヒトも多かったみたい(?)。(いや、今から始めようと思ってる、という段階なんですけどね……)
でも本当に気持ちいいですよ。ああ、はやく遠出がしたいぞ〜、とすっかりその気。
あ、でもその前に。「沈」しても自力で再乗艇できるよう、しっかり講習受けなくちゃ。命に関わることだしね。
※この日記は、HP「湘南住的探訪」内の葉山ポレポレ日記に書かれたものです。