
家を建てるとき、もしくはリフォームするとき、部屋の壁の色で悩む人は多いのではないだろうか。オフホワイト系のビニルクロスが一般的かつ無難であるが、すべての部屋がそうでは面白みがないし、ビニルクロスの多用はシックハウスも気がかりだ。
1年ほど前に新築したわが家は、悩んだ末に、リビングやダイニングは珪藻土、和室は和紙の壁紙、書斎と洗面所・トイレはビニルクロス、寝室と時期子供部屋スペースは塗り壁紙にした。
塗り壁紙とは、自分の好きな色の塗料を塗って仕上げる壁紙のことで、自分の家の壁ぐらい自分で塗るのが当たり前というヨーロッパでは、非常にポピュラーなものなんだとか。もちろんわが家も、自分たちで塗りあげるつもりで選択した。
しかしなぜそんな面倒そうなものにしたかというと、ビニルクロス・メーカーのカタログに気に入ったものがまるでなかったから……。なんせ、どれもこれも似たような白っぽいものばかり。だいたい5センチ角くらいのサンプルで選べということ自体、無理がある。
ならば、自分たちの好きに塗ってしまえ、ということでたどり着いたのが、ドイツのウッドチップをすきこんだ紙壁紙「ルナファーザー」と、健康に害が少なく何千色ものバリエーションを誇る「ベンジャミン・ムーア・ペイント」。壁紙は素直に職人さんに貼ってもらうことにしたが、問題は、壁を何色にするかであった。
寝室は安眠を誘う深いブルーかなぁ、子供空間は思いきってレッドもいいかも……など、夢は膨らむ膨らむ。が、いろいろ考えた結果、天井はホワイト、寝室の壁はオリーブグリーン、子供空間はクリーム(最初はレモンイエローで塗ったが気に入らず塗り直した)となった。ルナファーザーは10回くらいの重ね塗りができるので、その気になればいつでも好きな色に変えられる。だから子供空間を子供部屋としてちゃんと区切るとき、また新たな色でペイントすることができるのだ。
そんな私の想像力を大いにかきたててくれるのが、最近手に入れたお気に入りの本『パリの子供部屋』(エディシォン・ドゥ・パリ)である。この本には、インテリア好きの親の心をくすぐる子供部屋の写真がいっぱい。クリエイターのママンによって、家具や雑貨も完璧にコーディネートされている。もともとの建物が日本のそれとは違うので、まったくの真似っこは無理だろうが、ピンクやイエローの壁の子供部屋の可愛いこと! 見ればきっと「白壁信仰」から脱却できるに違いない。もっとも、壁の1面だけを色づかいにして、あとはすべてホワイトというのが、くどくならずにいいみたい。
私としては、女の子の部屋はやはりピンクがいいなぁ、と思っているのではあるが、まぁ、そのときが来たら、部屋の主となる現在1歳10カ月の娘の意見を尊重するとしよう。
※この日記は、HP「湘南住的探訪」内の葉山ポレポレ日記に書かれたものです。